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創立記念式典

準備

準備の開始時期 備えあれば憂いなし
 式典の準備はできるだけ早い時期に始めます。特に10周年、20周年、50周年、100周年などの会社の節目となる年に催す、周年行事としての創立記念式典の場合には、外部の招待客も多いでしょうから、遅くとも1年前には準備を始めます。
基本方針の決定 役員会で行事の大網を決める
 まず、役員会などで次のような基本方針を決めます。
(1)趣旨
  創立記念行事を何のために行うか決めます。例えば、次にようなものが考えられます。
□従業員の慰安・モラルアップのために行う
□取引先への謝恩のために行う
□会社のPRのために行う
□業績の拡大・販売促進を企図して行う
□社会に利益を還元するために行う
(2)集中型か分散型か
  各地に支社や営業所がある場合、本社と合同で実施するか、各事業所単位で実施するかを決めます。
(3)参加対象
  どのような範囲で参加者を求めるのかを決めます。
(4)概算予算
(5)運営責任者
  推進委員会の委員長および事務局長を決めます。
推進委員会の
設置
企画を練る人と働く人を決める
  推進委員長もしくは事務局長に任命された者は、企画を練り上げる推進委員と、実際に準備。運営にあたる実行委員を決めます。
 推進員会は専務クラスの者を委員長とし、各部門の課長職の者が委員という構成がよいでしょう。事務局は総務部門におき、総務部長を事務局長とします。実行委員は、総務部門の若手の社員で構成します。
日時の決定 創立記念日に行うのが基本
(1)日程
   式典の日時は、事情が許す限り創立記念日当日を選びます。ただし、創立記念日を休日にしている会社では、一日繰り上げて行ってもよいでしょう。
(2)時間
   開始時間は午前10時頃とし、パーティを除いた式典の所要時間は1時間から1時間30分程度にします。そうすれば、その後のパーティが、ちょうど昼時にかかるようになります。
   年中行事としての式典であれば、当日の行事を早めに終わらせ、その後に催すのもよいでしょう。
パーティ形式の決定 格式ばるのかにぎやかな雰囲気にするのかを決める
 創立記念式典では、多くの場合パーティが催されます。式典の趣旨や流れを考えて、どのような形式のパーティを行うかを決めます。
 パーティの形式には、次のようなものがあります。
□ディナー・パーティ(晩餐会)
□ランチョン・パーティ(午餐会)
□ビュッフェ・パーティ
□カクテル・パーティ
□ガーデン・パーティ(園餐会)
 格式の高いパーティを行うのであれば、ディナーやランチョンなど定席のパーティとします。また、自由な雰囲気でにぎやかに行うのであれば、ビュッフェやカクテルなどの立食形式のパーティがよいでしょう。
 会社が主催するパーティは、多くの人を招待でき、自由に歓談できるビュッフェ形式が多いようです。
会場の手配 社屋を利用するのが望ましい
 創立記念式典は、会社の生い立ちを振り返り、今度の社業の発展を誓う行事です。したがって、社屋を会場とするのが最も望ましいでしょう。
 しかし、式典の規模や交通の便、パーティの段取りなどを考慮して、ホテルなどで行うことも少なくありません。社屋以外を会場とする場合には、次の点に注意して下見をし、式典を行うにふさわしい場所であるかどうか考慮した上で、早めに予約します。
□品格・格式があるか
□パーティ専用ホールであるか
□交通の便がよいか
□知名度が高いか
□場所がわかりやすいか
□料理・サービスがよいか

よい会場は費用がかさむ
 社外の会場で、上記のような条件がそろうところとなると、費用がいくぶんかさみます。費用は安く済めばそれに越したことはありませんが、よくない会場を選んで出席者の満足が得られないようでは、会社のイメージダウンとなり、かえって高くついてしまいます。
 会場選びは式典の成功のポイントです。それなりの会場を選ぶには、それに見合った費用が必要なことを承知しておかなければなりません。
招待客の決定 各部門と意見を調整して決める
  招待状を発送するため、各部門・支社より招待客の予定者を報告してもらいます。特に周年行事として行う場合は、その趣旨や式次第を考慮した上で招待客を選定基準を示し、最初は少し多めにリストアップします。その後、営業上の判断により、定員にまでしぼりこんでいきます。
 この際、招待客の重複がないか確認し、また、リストから外した場合は、関係部局へきちんと伝達しておきます。
 考えれる主な招待客は、次のとおりです。
□取引先 □社員の家族 □地域住民
□関係官庁 □会社のOB □株主
□業界関係者 □マスコミ関係者
□政財界人 □顧客 □販売店・特約店

招待者名簿を作って管理する
  周年行事として催す設立記念式典の場合は、招待客も多くなります。招待状の発送ミスをなくすためにも、招待者名簿を作ってきちんと管理する必要があります。
(1)名簿の記載順
  名簿には、法人名や官庁名を50音順に並べておきます。
  ただし、招待客が多いため、当日の受付を同業関係者、取引先関係、マスコミ関係など分野別に分けて行うときは、名簿も分野ごとに分けて作ります。
  また、時間帯を分けて招待する場合には、名簿を時間帯ごとに分けて作る方が便利です。
(2)名簿に設ける欄
  名簿には、○氏名、○企業・官庁名、○役職、○住所・電話番号の各欄のほか、招待状発送・出欠回答・当日出欠・記念品引換・礼状発送などのチェック欄を設けておきます。後の管理などを考えると、パソコンにデータを入力しておいた方が便利でしょう。
  名簿の準備が完了したら、整理番号を通しておきます。式典後の整理までは、同一の名簿を利用するようにします。
スピーチの依頼 社長または役員が直接出向いて依頼する
  招待客を決めたら、祝辞をいただく方を決め、依頼します。
祝辞をいただく方の人数は3人程度、多くても5人までにとどめます。
依頼は、社長かそれに代わる役員が、社歴などの資料を持参し、直接出向いて行うのがマナーです。お願いする際は、1人3分ぐらいが持時間であることを、事前に知らせておきます。
なお、創立記念式典の中で特別の催しを企画していて、社外の人に協力を仰ぐ場合には、あらかじめその人にも連絡をとっておく必要があります。
招待状の発送 文面にはちょっとした心づかいをする
(1)文面
  招待状の文面は、特に詳細にする必要はありません。紋切型で用件のみを伝えるもので結構です。ただし、当日の服装などにつき、あらたまった形式にするのであればその旨を、また、気軽なものにするなら「平服で」と書き添える心づかいが必要です。
(2)同封するもの
  返信用のはがきは必ず同封し、返送期限も明確に記しておきます。また、必要に応じて次のものも同封しておきます。
□式場案内図
□駐車券
□記念品引換券
祝辞を依頼した場合などは、あらためてその旨を書いた付箋を同封し、相手の確認を促します。
(3)発送
  招待客あいての招待状は、一か月前までに発送するようにします。
  招待状は、持参するものと送付するものとに分け、それにもとづいて招待者名簿に○や△などの印を付けておくと、返信の確認が簡単にできます。
出席者の把握 出欠の返事がない場合は電話で確認する
  出欠回答はがきが返送されてきたら、招待者名簿に記入し、出席者の把握をしていきます。
  万一、返信期限を過ぎ、最終的な人数把握をする時期になっても、出欠の返事がない場合には、電話で出欠を確認します。
記念品の準備 もらう人の身になって考える
  創立記念式典に際し、出席者に記念品を贈る場合には、記念品を準備する必要があります。
  記念品は、できるだけコンパクトで実用的なものを選びます。あまり大きいものは持って帰るのに不便ですし、実用的でないものはもらってもあまりうれしくありません。
  また、記念品に社名やロゴを金文字で入れることもよく行われますが、使用する人の身になって考えると、できるだけ小さく控えめに入れる方がよいでしょう。最近では、包装紙に社名を入れるだけで、記念品には何も入れないという会社もあります。
役割分担の決定 あらかじめ当日の係を決めておく
  式典に多数の人が参加するのであれば、当日の役割分担をしておく必要があります。次の役割について、あらかじめ担当を決めておきます。
□招待者の渉外係 □会場係
□庶務会計係 □記念品係
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